歯磨き粉の適量はどのくらい?使いすぎ・少なすぎのデメリットを解説

歯磨き粉の適量はどのくらい?使いすぎ・少なすぎのデメリットを解説

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はじめに

歯磨き粉をつけるとき、「どのくらいがちょうどいいのかな?」と迷ったことはありませんか?たっぷり出して泡立てたほうが気持ちいい、でも実は“つけすぎ”には意外な落とし穴もあるんです。逆に、少なすぎると効果が薄くなることも…。

毎日の歯磨きは、ただのルーティンではなく、歯や歯ぐきの健康を守る大切な習慣。そのなかで、歯磨き粉の量や使い方は意外と見過ごされがちですが、ちょっと意識を変えるだけで予防効果がぐんとアップします。

本記事では、大人と子どもそれぞれに適した歯磨き粉の“ちょうどいい量”をはじめ、使いすぎのデメリットや正しい使い方まで、わかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

歯磨き粉の適量とは?(大人・子ども別)

日々の歯磨きで欠かせない存在の歯磨き粉ですが、「どのくらいつければいいの?」と聞かれると、意外と答えに迷ってしまう方も多いかもしれません。実は、年齢によって適切な量が異なり、その違いを理解することで、歯の健康をよりしっかり守ることができます。

大人の場合|しっかりめに、でもつけすぎない

大人、つまり6歳以上の方が使用する歯磨き粉の量は、歯ブラシの全体を覆うくらいが目安です。およそ1.5cmから2cm程度で、重さにすると1g前後。このくらいの量であれば、フッ素の効果を活かしつつ、無駄に泡立ちすぎることもなく、丁寧に磨くことができます。

また、フッ素入りの歯磨き粉を使う場合は、フッ素濃度が1,400ppmから1,500ppmのものを選ぶと、虫歯予防により効果的だとされています。ただし、使用する量は多ければ多いほどいいわけではなく、しっかりとブラッシングできる時間やすすぎの回数と合わせてバランスを取ることが大切です。

子どもの場合|年齢ごとにしっかり管理を

小さなお子さんが使う歯磨き粉の量は、大人と比べるとずっと少なくてOKです。誤って飲み込んでしまうリスクがあるため、保護者の方がしっかり量を調整してあげましょう。

歯が生え始めてから2歳頃まで

この時期の歯磨き粉は、ほんの少しで十分です。目安は米粒程度(1~2mm)。歯ブラシの先にちょこんとつけるくらいがちょうどいいでしょう。フッ素濃度も低めの500~1000ppm程度が安心です。

3歳~5歳ごろ

乳歯がそろってきたこの時期には、少し量を増やして、グリーンピースくらい(約5mm)が目安です。歯ブラシの先端1/4ほどにつける感覚で、まだまだ仕上げ磨きを中心に保護者がケアしてあげることが大切です。

6歳以上~小学生以降

6歳を超えると、歯の構造も大人に近づいてきます。この頃からは、歯ブラシ全体に1.5cm~2cm程度の歯磨き粉を使い、フッ素濃度も1,400ppm以上のものを使っても大丈夫になります。自分で磨く習慣を身につけ始める時期ですが、仕上げ磨きや定期的なチェックは引き続き必要です。

適量の目安と選び方のポイント

歯磨き粉の適量を守ることで、フッ素の虫歯予防効果をきちんと発揮させることができます。逆に、つけすぎてしまうと泡立ちが多くなりすぎて短時間で磨いたつもりになってしまったり、研磨剤による刺激が強くなってしまったりすることも。

また、歯磨き後のすすぎは、できるだけ少ない水で1回だけにすると、フッ素が口の中にとどまりやすくなり、虫歯予防効果が高まります。

子どもに関しては特に、「どのくらいつけたらいいのか」を大人がきちんと判断し、歯ブラシを手渡す前に量を調整してあげるようにしましょう。

子どもも大人も、「多すぎず、少なすぎず」を心がけることが、毎日の歯磨きをより効果的なものにしてくれます。製品によってはパッケージに具体的な目安が書かれていることもあるので、迷ったらそちらを確認するのもおすすめです。

歯磨き粉を使いすぎるとどうなる?

毎日の歯磨き、つい「たっぷり使ったほうが効果がありそう」と思っていませんか?けれど、歯磨き粉は多ければ良いというものではありません。むしろ、使いすぎることで、口の中に思わぬトラブルが起きることがあります。この章では、歯磨き粉を使いすぎた場合に起こりうるリスクについて詳しく見ていきましょう。

口の中の粘膜が傷つくことがある

歯磨き粉に含まれる泡立ち成分や洗浄成分は、汚れを落とすために欠かせないものですが、たくさん使うと刺激が強くなりすぎてしまうことがあります。とくに、界面活性剤と呼ばれる成分は、口の中のやわらかい粘膜に負担をかけることがあり、粘膜が剥がれたりヒリヒリしたりする原因になることも。

また、粘膜が荒れると味を感じにくくなったり、食べ物の風味が変わって感じられたりすることもあります。こうした変化はすぐには気づきにくいですが、日常の快適さに影響を与えてしまう可能性があります。

歯の表面が削れてしみることも

市販の歯磨き粉には、歯の汚れを落としやすくするために細かい粒子が含まれています。これらは「研磨剤」と呼ばれ、適切な量であれば歯の表面をつるっと保つのに役立ちます。

けれども、歯磨き粉をたくさん使ったり、ゴシゴシ強く磨いたりすると、この研磨剤が歯の表面を必要以上に削ってしまうことがあります。すると、歯の内側にあるやわらかい部分(象牙質)が表に出てしまい、冷たいものや熱いものがしみる「知覚過敏」の原因になるのです。

歯ぐきに負担がかかることも

強い力でのブラッシングに加えて、刺激の強い歯磨き粉を多く使うと、歯ぐきにもダメージが蓄積されます。最初は赤くなったり、違和感を感じたりする程度かもしれませんが、続けていると歯ぐきが下がってきて、歯の根元が露出してしまうこともあります。

歯ぐきの後退は元に戻すのが難しく、見た目にも影響が出やすいので、できるだけ初期段階でのケアが大切です。

口臭が強くなるケースも

歯磨き粉の使いすぎは、むしろ口臭の原因になることもあります。これは、粘膜がダメージを受けてはがれやすくなり、その細胞が口の中で分解されることで、嫌なにおいを発するようになるためです。

また、泡がたくさん立ちすぎることで「しっかり磨けた」と錯覚してしまい、磨き残しが出てしまうのも問題です。実は、たくさんの泡は視界をさえぎってしまい、細かい部分までブラシが届いていないことに気づきにくくなるのです。

適量を守ることで防げるトラブル

こうしたトラブルの多くは、歯磨き粉を「適量」使うことで防ぐことができます。たとえば、大人であれば1.5cm~2cm、子どもは年齢に応じた量で十分。歯磨き粉の量を抑えることで、泡立ちも控えめになり、歯と歯ぐきの状態をしっかりと確認しながらブラッシングができます。

そして何より、フッ素などの有効成分をきちんと活かすためにも、過剰な使用は避け、少量を丁寧に使うことがポイントです。歯磨きは、ただ回数をこなすのではなく、一回一回を丁寧に。これが、健やかな口の環境を守るいちばんの近道かもしれません。

歯磨き粉の使い方のポイント

毎日なんとなく歯磨き粉をつけて磨いている方も多いかもしれません。でも、少しの工夫で歯磨き粉の効果をもっと活かせるとしたら、試してみたくなりませんか?ここでは、歯磨き粉の使い方を見直すことで、毎日のケアをより確かなものにするためのポイントをご紹介します。

歯ブラシは乾いたままでOK

歯磨き粉をつける前に、歯ブラシを水で濡らす習慣がある方も多いかもしれません。けれど、実は歯ブラシは濡らさずにそのまま使うのが理想的です。

理由はとてもシンプル。歯磨き粉の成分が水で薄まらず、泡立ちも控えめになるからです。泡が多すぎると、「磨けた気分」になってしまい、実際には磨き残しが起きやすくなります。乾いたブラシで始めることで、歯や歯ぐきをしっかり意識しながら磨くことができます。

適量をつけるのが大切

歯磨き粉は、たくさんつければ良いというものではありません。適量を守ることで、泡立ちすぎを防ぎ、フッ素などの成分もきちんと働きます。

大人であれば歯ブラシの先に1.5cm~2cm、子どもは年齢に応じて、1~2歳は米粒程度、3~5歳はグリーンピースくらいの量が目安です。量が多いと泡立ちすぎて視界が悪くなり、細かい部分の磨き残しが起こることもあります。

毛先の当て方がポイント

磨くときは、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目にしっかりと当てるようにしましょう。45度くらいの角度で、小さく動かすのがコツです。

横にこするのではなく、できるだけ縦の動きで、歯と歯の間にも毛先が届くように意識して磨くと、プラークの除去がより効果的になります。

時間はゆっくり2分以上

歯磨きは、時間をかけて丁寧に行うことが大切です。全体をしっかり磨くには、2~3分ほどが目安。

特に、奥歯や歯の裏側、歯と歯の間は見えにくく磨きにくいため、意識してブラシを当てるようにしましょう。時間をかけることで、歯磨き粉の成分がじっくり働く時間も確保できます。

すすぎは軽く1~2回にとどめて

磨き終わったあと、口の中を何度もすすぎたくなる気持ちはよく分かります。でも、フッ素などの成分を口の中にできるだけとどめておくためには、すすぎは少量の水で1回か2回だけにするのが理想です。

すすぎすぎると、有効成分まで流してしまうことに。気になる場合は、ジェルタイプの歯磨き粉を選ぶと、泡立ちが少なく、すすぎを控えやすくなります。

自分に合った歯磨き粉を選ぶ

歯磨き粉は、自分の口の状態に合わせて選ぶことが大切です。虫歯予防には高濃度フッ素(1,450ppm程度)入りのもの、知覚過敏には刺激の少ないタイプ、歯の黄ばみが気になる方にはホワイトニング対応のものなど、目的に合わせて選びましょう。

毎日使うものだからこそ、使いやすさや味、泡立ちなどの使用感も大事なポイント。お気に入りの一本を見つけて、歯磨きを楽しい習慣にしましょう。

歯磨き粉は、正しく使えばとても頼れるパートナーです。ちょっとした使い方の見直しが、口の中の健康を大きく変えるきっかけになります。今日からさっそく、あなたの歯磨き習慣をアップデートしてみましょう。

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まとめ

歯磨き粉の量は、年齢や口の状態に合わせて調整することがとても大切です。大人であれば1.5cm~2cm、子どもは成長段階に応じて米粒大やグリーンピース大など、適切な目安を知っておくことで、より安心して使えます。

つけすぎてしまうと、粘膜への刺激や歯の表面の摩耗、口臭悪化といったトラブルにつながる可能性があり、逆に少なすぎるとフッ素の効果を十分に発揮できない場合もあります。

また、ブラッシングの力加減やすすぎ方、歯磨き粉のタイプ選びも合わせて見直すことで、口腔ケアの質はぐっと高まります。

毎日何気なく続けている歯磨きだからこそ、少しの工夫で健康効果は大きく変わります。今日からは、適量を守って、やさしく、ていねいに。歯磨き粉を正しく使って、健やかな口もとを目指していきましょう。

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